かわいそうな人ではありません。

OPCAで寝たきりのKさん。とても美人な方です。
ちょっとおとぼけのご主人が介護なさっています。
二人はとってもラブラブ。
ご主人はなんだかんだ言いながら、奥さんが大好き。
奥さんはご主人が来たときだけ目がぱっちり、笑顔きらきら☆。

今日はそのお宅私が訪問中に女性のお客さんがきました。
「誰だかわかる?」「わかんないのかしら。」

わかっていますよ、ちゃんと。心の声

「もう自分ではちょっとも動けないのね」

動けますよ。左手の指先が。それとお顔の筋肉。 再度心の声

「かわいそうにね・・・」

もう少しで怒り出しそうになってしまいました。


お客さんが帰った後、私はKさんとお話していました。
もちろんKさんはお話できませんが、豊かな表情と瞬きでお返事してくれます。
「一つ、どうしても言いたい事があります」

珍しくまじめな顔してどうしたの??という表情のKさん

「Kさんはかわいそうな人ではありません。」
そう告げる私に満面の笑みで答えたKさん。
すごくお互いの気持ちがわかりあえた気がしました。

彼女はもう自分の身体を思うように動かすことが出来ません。
お話しすることが出来ません。
身の回りの事は全て誰かの手を借りないと行えない状態です。
気管切開され、胃瘻、バルンカテーテルが挿入されています。

でも、彼女は不便ですが、不幸ではありません。
もちろん言葉に出来ないくらい辛い事がたくさんある事は私も承知しています。
でも、愛するご主人がいて、娘さん御夫婦やお孫さんに囲まれてお幸せに暮らしています。
彼女に関わるスタッフがみんな、彼女の事を大切に思っています。

私はむしろKさんに一生をかけて愛し合える人がいるなんて羨ましいといつも言っています。

幸せなKさんにかわいそう、なんて言ってほしくありません。

Kさんにもその気持ちが伝わったのだと思うと嬉しくなりました。
嬉しくなりすぎて帰り際のお別れが涙声になってしまいました。
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by ayano-812 | 2007-07-20 19:52 | 訪問看護


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